ヨーロッパ人権裁判所
「ベゲリほか対グルジア 事件」,2014年10月7日
「……当裁判所は,宗教を理由とした暴力の防止と阻止において,関連当局の対応が不十分であったと結論づける。ジョージア当局は,その職員たちがエホバの証人に対する襲撃に直接加わったり,個人による不法な行為を容認あるいは黙認したりすることにより,正当な処罰がなされない風潮を作り出した。その結果,全国規模でエホバの証人に対する襲撃がさらに助長された。加えて,被申立人政府は,責任者の迅速かつ公正な訴追と処罰を行うことを明らかに望まないことによって,違反を是正することを怠った。結果として,その後のエホバの証人に対する違反行為を予防および抑止する本来の責任を放棄した。……国家当局には,信教の自由を擁護する法的枠組みを確実に整備するだけでなく,何よりもまずその権利を実現するための効果的な措置を講じるよう見届けるという積極的な義務を果たす責任がある。したがって,当裁判所は,関係当局が,その関与,共謀,または少なくとも黙認によって,エホバの証人が信教の自由の権利を行使できるよう必要な措置を講じる義務を怠ったと考える。公権力のそのような態度は宗教的暴力を激化させる一因となった」。
その他の法的勝利に関する情報は,以下をご覧ください。
- Tretiak v. Ukraine, no. 16215/15, 17 December 2020 (ECHR).
- Migoryanu and Religious Community Jehovah’s Witnesses of the City of Izmail v. Ukraine, no. 36046/15, 12 November 2020 (ECHR).
- Kornilova v. Ukraine, no. 47283/14, 12 November 2020 (ECHR).
- Zagubnya and Tabachkova v. Ukraine, no. 60977/14, 12 November 2020 (ECHR).
- Gabunia and Others v. Georgia (dec.), no. 37276/05, 17 September 2017 (ECHR).
- Tsartsidze and Others v. Georgia, no. 18766/04, 17 January 2017 (ECHR).
- Members of the Gldani Congregation of Jehovah’s Witnesses and Others v. Georgia, no. 71156/01, 3 May 2007 (ECHR).
- Tsavachidis v. Greece (striking out) [GC], no. 28802/95, 21 January 1999 (ECHR).