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アントニオ・ペレス・フェレール教授

ヨーロッパ | スペイン

2023年12月29日付意見書からの抜粋:

「……私はスペインとラテンアメリカの輸血医学に関する学会や講座で 150 回近く講義
や授業を行っており,輸血医学に関する3 冊の本を監修し,……40 以上の本の章を
執筆していますが,そのほとんどは輸血医学に関するものです」。

「PBM を臨床ルーチンに導入することは,輸血率の大幅な減少,術後転帰の改善,入
院期間の短縮につながります……」。

「現実には,エホバの証人は治療の一部,つまり血液成分を取り入れることだけを拒否
しています。しかし,大手術を含む最新の医学の進歩の恩恵を受けようとしています」。
「シャンボーらによるごく最近の論文では,JW(エホバの証人)とそれ以外の人々にお
ける心臓手術の結果を比較した 11 の研究が紹介されています。これらの研究では,即
時,中期,長期の死亡率いずれにも有意差は認められませんでした。また,周術期の
急性心筋梗塞,腎障害,感染症などの転帰にも有意差は認められませんでした」。

「JW の無輸血手術のために考案されたプロトコルは,肝移植で実証されているように,
それ以外の人々にも適用可能であり,JW が輸血を拒否することは一般集団にも恩恵を
もたらしています」。

「したがって,小児患者に対する医療や手術は常に安全です。私個人は,20 年にわた
り小児患者を治療してきました。その中には JW の子どももいましたが,これまで何一
つ問題はありませんでした。……患者の準備と,手術チームと麻酔チームの共同作業に
より,両親の要望通り,無輸血手術という目標を毎回達成してきました。両親が輸血を
拒否した結果,子どもが被害を被ったことはありませんし,裁判に持ち込む必要も全く
ありませんでした」。

「今となっては,“輸血なし” の医療を受けたいというエホバの証人の願いは,もはや風
変わりなものではなく,全ての人にとって望ましい医療モデルとなっています……」。

「JW の手術症例の大半は輸血の必要なく解決できます。十分な準備ができていれば大
きな手術も可能です。輸血拒否によって患者の生命が危険にさらされるケースは例外的
であり,小児患者では発生しません。

無輸血医療は,患者のニーズと権利の両方を満たすものです」。(原文はスペイン語)