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アリエシャンダー教授

北アメリカ | アメリカ合衆国

2023年12月15日付意見書からの抜粋:

「……私は個人的または宗教的な理由で輸血を拒否する何百人もの患者を担当する機会に恵まれてきました。……患者層は小児から非常に高齢者まで幅広く,ハイリスク妊娠を含む産科医療,婦人科腫瘍学,複雑な心臓および血管手術も含まれています。

同種血輸血を拒否した患者層の臨床結果は非常に良好であり,これらのクリニカルパスを全ての患者に採用しました。これにより,全ての患者に健康上の利益がもたらされ[ました。]……

過去 2,30 年間におけるBMS の急速な進歩にもかかわらず,世界中の名門大学関連の成人および小児病院が BMS 治療を採用している一方で,まだ一部の臨床医は輸血を拒否する患者の治療が困難であると考えています。これは,臨床医の経験不足,または偏見や先入観のない心で臨床治療に取り組んでいないことによるものです。さらに,偏見を持たない人々は,宗教団体エホバの証人が医療問題,特に各自の病気に精通しており,同種血輸血以外であれば,常に最先端で最良の臨床治療を求めていることに気付いています。

……エホバの証人の親たちは,自分の子どもたちに最良の治療を望んでいます。エホバの証人の成人または小児患者が輸血に代わる治療方法を求めることにより,臨床医にとって難しい状況が生じるとしても,それは不注意や医療ネグレクトの表れではありません。むしろ,小児患者を含め,事実上全ての治療が輸血なしで行えるという知見に基づいています」。

「結論として,エホバの証人の患者とその家族への数十年にわたる治療経験は,私の医療キャリアで最も充実したものでした。専門医としての成長を促し,特別な医療を必要とする他の患者を治療する能力が高められました。エホバの証人の患者のニーズに対応することは,科学の進歩,そして貧血の診断と治療,凝固の管理,および貯血(保存血液)の機能と欠点に関する何千もの医学研究につながりました。医療に対する集学的,複合的,組織的な取り組みを実施し,貧血を管理し出血を最小限に抑えるための複数の手段を最適な方法で用いることで,輸血を回避できるというかなりの科学的根拠があります。2021 年,世界保健機関(WHO)は,全ての加盟国に対し,患者自身の血液を温存し管理する手段をより広く活用するよう,臨床医と病院を奨励する政策概要を発表しました。

BMS 治療を選択して治療された患者は,成人,小児を問わず,同種血輸血療法に頼って治療された患者と同じか,それ以上に良好であることが,多くの医学的研究で実証されています。このような手段を用いることは,医療システムの大幅なコスト削減にもつながります。」。(原文は英語)