子どものしつけについて
「エホバの証人の方と聖書を学び,我が子に対してもっと愛情の込めた態度で接する必要があることがわかりました。以前の私と夫は,子供の頭を少しくらい叩くことは何でもないことだと思っていました。……しかし,聖書を学んでいくと神は暴力を嫌うということがわかり,どんな小さなものでも暴力には変わりがなく良いことではないと気付きました。それからは私も夫も子供に手を挙げることがなくなっていきました。怒りの感情をコントロールする必要についても学び,親が子供の手本となることの重要性にも気付かされました」。40歳
「私の両親は,私が小さな頃からどんなに忙しかったとしても,家族で過ごす時間を毎日取り分けてくれていました。……両親は,私が愛され大切にされていると感じられるよういつも接してくれていました。……言葉やハグなどで愛情表現も多く示してくれましたし,私が手伝いなどをしたら感謝もしてくれました。反対に親の感情で怒られたりすることもありませんでしたし,親が間違いをした際には謝ってくれました。そのように接してくれていたので,家ではいつもリラックスでき,自尊心を保つ助けになったと感じています」。24歳
「私はエホバの証人の両親のもとで育ちました。両親は日頃から私の話をよく聞き,私のやりたいことをいつも後押ししてくれています。……家族の中で,いつも居場所を感じながら,安心感をもって過ごすことができてきました。両親からたくさんの愛を注がれて育(ちました)」。19歳
「[エホバの証人と]聖書を学ぶと子育ての責任は父親である事……を知り愕然としました。……良い父であり夫であるために聖書のアドバイスを真剣に当てはめるように努力しました。……聖書の中に『子供はエホバからの……贈り物』という言葉があります。(詩編127:3)わたしはハッとさせられました。……仕事の調整をし,子供との時間が最大限取れる職場に転職しました。……父親が母親を愛し,敬意を払うなら,娘はそれを見て,どんな男性を結婚相手に選ぶとよいかが分かるようになると思います。……聖書を学ぶ前は良く夫婦喧嘩をしたものですが今では意見の食い違いがあったとしても穏便に解決する術を学びました。妻に愛情の表現を見える形で行うよう努力しました。……娘に夫婦としての良い模範を見せることができ(ました)」。60代
「両親は小さい頃から,私に対して愛を持って接してくれました。旅行やレクリエーションなど,家族皆で楽しい時間を過ごした思い出がたくさんあります。困った時にはよく話を聞き,何でも相談に乗ってくれました。……両親は私がエホバの証人の教えに従うよう強制することはありませんでした。エホバの証人になるよう圧力をかけることも全くありませんでした。自分でよく考えて良い決定ができるよう温かく励ましてくれました」。22歳
「私は1988年(33歳)にエホバの証人になりました。それまでは,家族を顧みる点で自分の責任を果たせていませんでした。……[聖書を学んでから]多くのことが改善されました。例えば,聖書に,『父親は,子供をいら立たせないようにし(なさい)』という言葉があります。子供の心の内をしっかり受け止めて聴くようにしました。特に思春期の子供は夜の落ち着いた時間に自分の心の内を話してくれる時が多いものです。私は仕事の疲れと明日の仕事のこともありましたが,深夜までしっかりと話を聴き,理解し,励ましや慰めを与えることが出来ました。子供は愛情と安心感で育っていくものだと感じています。……親の愛を感じて育っていきます」。68歳
「私は両親のもとで育ったことに感謝しかありません。小さい時から一度も強制されたことはなく,『あなたと私の信仰は違うからね』と言われて育ちました。今の私の信条,確信を自分自身で決めることができたこと,そのために親がたくさんサポートしてくれたことに感謝の気持ちでいっぱいですし,嬉しく思っています。どんなに忙しくてもいつも話を親身になって聞いてくれて,真剣に寄り添ってくれます。家族と一緒にいる時間が1番の安らぎで,幸せで,大好きです」。18歳
「特に子育てには,エホバの証人から学んだことがとても役立っています。……決して虐待してはいけないこと,愛情を込めて辛抱強く言い聞かせることが大事だと教わったので,そうしました」。50歳
「私はエホバの証人の両親に育ててもらったことを本当に感謝しています。……これをするようにと強制したり,決めたことを否定したりすることもなく,色々なことにチャレンジできる環境を作ってくれましたし,自分で考えて決めたことをやり遂げられるようにサポートしてくれました。また,家族と過ごす時間を大切にしてくれていました。いつも家族全員で食卓を囲んでその日にあったことを話したり,夕食後はゲームをして遊んだりしました。週末は遊びに出かけたり,お花見や紅葉を見に行くなどの季節を楽しむイベントもたくさんしました。……よく笑い楽しい時間を過ごす度に,家族からの愛を感じていました」。21歳
「私の両親はたくさんの愛情を込めて私を育ててくれました。特に感謝しているのは一緒に過ごす時間をいっぱいとってくれたことです。父も母も一緒に時間を過ごすことをいつも優先してくれました。……いつも話を聞いてくれたりコミュニケーションを大切にしてくれ(ました)。私が相談事を夜の遅い時間にするときも寝ずに話をきいてくれました。そして私の気持ちに寄り添って,私が自分で納得のいく答えを見つけ出せるように一緒に考えてくれました。いつも私の考えを尊重しその決定がうまくいくように助けてくれました」。
また,エホバの証人は,平和的で法律を守り,模範的な市民であるよう努めています。そうした法律には,体罰に関する法律や,子どもの身体的虐待に関する事例を当局に報告する法的義務も含まれます。
日本で親が体罰を行うことを禁止する法律が導入されたのは2020年になってからのことです。児童虐待防止法第14条第1項が改正され,親または保護者は「児童のしつけに際して,体罰を加えること……により当該児童を懲戒してはなら……ない」と規定されました。現在,日本は体罰を禁止している65カ国のうちの1つです。他のほとんどの国では,親が何らかの形で体罰を行うことが依然として認められています。
体罰に関する法律が世界各国で大きく異なっているにもかかわらず,エホバの証人は一貫して,子どもをしつける際に怒ったり暴力を振るったりすることをとがめてきました。エホバの証人の出版物から幾つかの例を挙げます。
- 1954年:「懲しめるという問題について[は],愛の心を持って懲しめを行うべきであり,怒った大声を出したり,ひどく打ち叩くなどをして懲しめてはならないということです。……両親の権威……は愛と恵みの心を持って用いられるべきであって,決して怒ったり,非常な厳格さで用いてはなりません」。1
- 1979年:「聖書は,怒りに駆られてむちを加えたり,打ちつけたりすることを容認していません。そうした体罰は幼い子供に傷を負わせ……ることさえあるのです。それは愛ある懲らしめではなく,子供の虐待です」。2
- 2014年:「聖書中の『懲らしめ』という語は……主に,教え諭すことや正すことに関連しており,虐待や残酷さとは全く関係がありません。……親も,子どもを懲らしめる時には愛情をもってそうする必要があります」。3
- 2022年:「親は,決して子供に厳しく接してはいけません」。4
実際,「日本のエホバの証人 定量的研究」では,体罰を「全くしない」のが適切と考えるエホバの証人が圧倒的に多いことが示されました。エホバの証人は長年,身体的虐待の申し立ての報告を義務付ける法律など,児童虐待の報告に関する法律を遵守してきました。そのことは,以下の例によく表れています。
- 2013年,埼玉県:長老たちがある親から,配偶者が自分たちの子どもに身体的虐待を加えたと知らされました。長老たちはその申し立てを速やかに児童相談所に報告しました。
- 2016年,兵庫県:長老たちがある子どもの祖母から,孫がその子の親から身体的虐待を受けたと知らされました。長老たちはその申し立てを速やかに児童相談所に報告しました。
- 2018年,宮崎県:長老たちが,宗教行事に参加しているある親が自分の子どもに身体的虐待を行ったと知らされました。長老たちはその申し立てを速やかに児童相談所に報告しました。
- 2022年,神奈川県:長老たちが会衆のある人から,宗教行事に参加している別の人が子どもに身体的虐待を行ったと知らされました。長老たちはその申し立てを速やかに児童相談所に報告しました。
1. 「ものみの塔」(英語)1954年4月1日号129,131ページ4,7-9節。
2. 「目ざめよ!」1979年8月8日号29ページ。
3. 「ものみの塔」2014年7月1日号10ページ。
4. 「ものみの塔」(研究用)2022年2月号19ページ「親の皆さんへ」。